時の流れに身を任せ

私はいま、扶養内で週3日働いている。

時間も短く10:00〜16:00の間で、休憩は45分間。

歳も歳だけにこの位がちょうどいいやと思っている。

満員電車は嫌いだし、暗くなってから帰宅するのも嫌だ。

そんな我儘な働き方でも良いと言ってくださる会社に巡り会えたのは一昨年の秋。

本当は働くつもりもなくて、つらつらと求人情報を閲覧していて、なぜかいつの間にか応募して、会社から返事が来て、あれよあれよと事が運んだ。

事務のお仕事であるが、私は事務系の仕事しか多分できない。

アルバイトで美術館の監視などもしたが、根が事務系の女なのだ。

 

そんなこんなで機嫌よく働いてはいる。

私の年代は旧石器時代の働き方だった。

一般職で入った会社は女性社員とは呼ばず、「女の子」と呼んだ。

縁故採用で入った会社は居心地もよかったし安定もしていたが、結婚を期に辞めた。

だけど、結婚してもその職場で働き続けるという選択肢は皆無だった。

同期もそうであったし、会社も結婚退職が当たり前という感じであった。

そういう時代だったといえばそうなのだが、そこまでして勤める意味は見出せない仕事でもあった。

そして、自分の母親がしていたように夫を立て、子供を育て、海外転勤や引越しを重ねてきた。

子供から手が離れ、私は短期アルバイトの形で、事務系の仕事をいくつかした。

一時期、扶養から外れ4年間ほど事務の仕事をしていた。

その時感じた例えようのない開放感。

まとまった収入を得て、税金を納め、健康保険証も自分のもの。

社会に貢献しているような気になった。

扶養される事は楽なようで、実は自由ではないということに気がついた。

いや、私はその分、家の仕事をしているし、PTAの活動もしているし、子育てもしている。

ワンオペと言われるような、そんな生活だった。

時代が違うなんていいわけにしかならないし、生活面でもきっと恵まれていると思う。

不平不満があるわけでもない。

ただ、時を戻せるなら、私はきっと猛勉強をして資格か技術を取って一生現役となるように生きたい。

そんな人生に憧れる。

今までその時、その時は必死だったけれど、自分のために必死になったことはあまりないような気がする。

ポジティブだし、直感型人間なので、憂うことは少ないけれど、嫌なことや辛いことは無理やり蓋をしてきたことも事実だ。

ただ、人のせいにはしたくない。

時代のせいにもしたくない。

時の流れに身を任せ過ぎたことを後悔しているけれど、これからはもっと賢く生きて行きたいと思っている。